(法律)風俗で写真と違う全くの別人が来た場合の法律関係の検証。お金払わず、キャンセルできる?

出会い系や、合コンや風俗で、事前に確認した写真と違う人が来た、という経験がある人も多いのではないだろうか、男女問わず。

出会い系や合コンは、飲み会やデートにかかる費用を除けば、基本的には無償といえるので(いざとなったら逃げれば良い話なので)、あまり問題にならないが、風俗の場合、写真と全くの別人が来て、キャンセルしたい場合、キャンセル料の支払い義務が発生する可能性がある(多くの店は当日キャンセルは100%のキャンセル料支払を設定しているのではなかろうか)。

写真を見て指名をしたのに、全く違う人が来てキャンセルする場合でも、キャンセル料は全額支払う必要があるのだろうか

なお、違う人が来てキャンセルする場合として、①完全に別人が来た場合と、②本人が来ているものの、いわゆるパネマジがふんだんに利用されている場合が有り得る。
*「パネマジ」とは、実際よりもより美しく見せる(あるいは、実物と異なり美しく見せる)ためになされる写真の修正のこと。最近は技術が発達し、素人が簡単に使用できる写真加工アプリもたくさんあるし、巧妙だよね。

①と②の場合とで、法律関係は変わってくるように思う。なので、この場合に応じて、以下記載する。

第1 キャンセル料を支払うことなく、キャンセルできるか

1 ①完全に別人が来た場合

写真指名がなされた場合、風俗店には、被写体となっている女性を派遣する契約上の義務が認められる。

そして、完全に別人を派遣した場合、かかる義務の違反となり、民法上の債務不履行解除を主張することができる

そのため、かかる解除を主張すれば、キャンセル料は支払う必要はない。
(店の規約上、「当日キャンセルにはキャンセル料が発生する」となっていたとしても、この解除は、ここでいう「キャンセル」には該当しない。)

2 ②本人であるものの、パネルマジックが利用されていた場合

本人であるが、パネマジが使用され、写真と実際の人物の容姿が著しく異なっているような場合は、実質的には別人との主張により、上記1と同様、キャンセル料を支払わずに、解除できるように思われる。

あるいは、「著しく異なっている」とまでいえない場合にも、写真どおりの容姿の人物を派遣する義務が風俗店には課されていると主張し、かかる義務違反を理由に民法上の債務不履行解除を主張し、キャンセル料を支払わずに、解除することも考えられる。

もっとも、容姿が異なるか否かは評価の問題であるし(加工していない場合でも、写真と実物が違う、いわゆる「奇跡の一枚」を見せられるという経験は誰にでもあると思う)、風俗の場合、女の子のプライバシーの観点からも、加工・修正されていることが一般的であろうから、写真と異なるからといって、あらゆる場合に解除を認めることはできないだろう。

どの程度の容姿の違いがあれば、解除できるかという点については極めて難しい問題であろう(定量的な基準の確立は不可能である。)。

なお、この問題について、弁護士が説明しているサイトで、写真の加工で容姿が違う場合は、利用者に重過失があるかどうかが問題となる(利用者に重過失があった場合、風俗店と間の第の契約の無効を主張できない)旨、説明しているものを見つけた。これは、民法上の、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。」という錯誤無効の規定に基づく主張である(民法95条)が、錯誤の問題にするのであれば、むしろ店側によるパネマジという欺罔行為が問題になるように思われ、この場合、利用者は錯誤による無効ではなく、詐欺取消(民法96条1項「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。」)を主張することになるのでないだろうか(詐欺取消の場合、利用者に重過失があっても主張可能)。

 

ちなみに、念のためであるが、いずれの場合においても、サービスを受けた後に、解除し、代金を取り返すことができない

第2 店に詐欺罪(刑法246条)が成立するか

1 ①完全に別人が来た場合

完全に別人を派遣し、サービス料という対価を得ようとしている以上、店に欺罔行為があるといえる。
そのため、理論的には、利用者がキャンセル料を支払った場合には店に詐欺既遂罪が、キャンセル料を支払わなかった場合には店に詐欺未遂罪が成立することになるのではなかろうか。

2 ②本人であるものの、パネルマジックが利用されていた場合

この場合は、第1で記載したのと同様、判断が難しい。
理論的には、第1で、契約解除あるいは詐欺取り消しが認められるような場合に、詐欺既遂罪あるは詐欺未遂罪が成立することになるのではなかろうか。

いずれのケースでも(特にパネマジのケースでは)、その主張・立証が難しく、また、検察官・裁判所も同一性及び社会通念上許容されるべき加工か否かの判断に頭を悩ませることになろうから、実際に詐欺罪で検挙されるケースは無いのかもしれない。。。

第3 その他

ある弁護士のコラムで、パネマジがなされたような場合、景品表示法違反になる可能性があるということが記載されていた。

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)では、実際の商品やサービスよりも品質・内容・価格などを「著しく優良」に表示してはダメだという規制が課されており、パネマジはこの規制にひっかかるということを根拠にしているようである。

同弁護士も自ら、「人間」(=派遣される女の子)にこの規制を適用し、判断する難しさはあると言ってはいるが、ジェンダーの問題もあるし、景品表示法違反は流石にないのではないだろうか。単にコラムを面白くするために、むりぐり、景品表示法に言及したのかもしれないが・・・

↓よろしければクリックをお願いいたします!


海外FXランキング

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください