(法律)TwitterにPayPayのQRコードやAmazonのほしい物リストを載せる行為の法律問題

第1 問題の所在

TwitterのFX界隈、ギャンブル界隈では、爆損を出した人がPayPayのQRコードやAmazonのほしい物リストを貼り付けて、金や物品を求めるケースが散見される(2022年5月の一カ月で6-7件目撃している)が、この行為は法律やSNSの規約にひっかからないのだろうか。

第2 軽犯罪法違反

(1)「こじき」とは

軽犯罪法第1条第22号は「こじきをし、又はこじきをさせた者」は、「これを拘留又は科料に処する。」と規定する。
「こじき」の意味については、法律には定義がないが、広辞苑によると、「食物や金銭を恵んでもらって生活する者。ものもらい。」という意味。裁判例では、「不特定多数の人の同情心に訴えて金品の無償交付を求める行為」と定義しているものがある。

この裁判例に乗っかるならば、①不特定多数の人の同情心に訴えて、②金品の無償交付を求める行為という2つの要件を満たすのが「こじき」ということになる。

(2)TwitterにPayPayのQRコードを載せる行為

軽犯罪法が施行されたのは昭和23年であるが、この当時は当然ながら、インターネットなど存在せず、路上における「こじき」が処罰対象であった。そのため、Twitterを始めとするSNSでの「こじき」が軽犯罪法の規制対象となるのか、が問題となる。

この点に関しては、2015年には、香川県高松市でニコニコ生放送を用いて「物乞い配信」をしていた無職の男性が、「こじき」を行ったとして、軽犯罪法違反の疑いで書類送検されたという実例が存在する。また、あえてインターネット上の「こじき」を適用対象外とする理由もない。

そのため、FXや競馬でお金をスッたからといって、「同情」や「哀れみ」に訴え、PayPayのQRコードを貼り付けて、お金を求める行為は、軽犯罪法の適用対象となり、①不特定多数の人の同情心に訴えて、②金品の無償交付を求める行為という2つの要件を満たし、「こじき」であるから、これを行うと拘留又は科料に処される可能性がある。なお、「無償交付」という要件を充足しないようにするために、詩を書く、イラストを描くなどの一定のサービスを提供することを対価として提案しているケースもあるようであるが、対価性に乏しい場合には、「無償交付」の要件を満たすであろうし、オンラインでの有償のサービス提供については、特定商取引法に従って氏名や住所などの表示義務が課されるという問題がある。

● 拘留(刑法第16条)
1日以上30日未満の期間、刑事施設に拘置されること● 科料(刑法第17条)
1,000円以上1万円未満の金銭の納付を命じられること

こじきをさせた者」については、典型的には親が子にこじきをさせる場合など、他人にこじきをさせた者がこれに該当する(ちなみに、親が子供にこじきをさせた場合には、軽犯罪法よりも処罰が重い、児童福祉法のこじき規制違反となるので、厳密には軽犯罪法違反ではない。)。そのため、Twitterでこじきツイートをリツイートして拡散するだけでは、「こじき」には該当しないが、DMやリプなどで、こじきをするように、働きかけたりした場合には、「こじきをさせた者」に該当する可能性があるし、リツイートの拡散だけでも、理論的には、こじきの共犯(幇助犯)に該当する可能性はあるものと思われる(実際に処罰されるとは思えないけど)。

(3)TwitterにAmazonのほしい物リストを載せる行為

Amazonのほしい物リストを使えば、自分のほしい物リスト(Amazonのリンク)をインターネットに載せることができる。そのリストを見た人は、当該リストから、リスト載せた人に欲しい物をプレゼントすることができる。そのため、Twitterの自分のプロフィールなどにほしい物リストを載せている人をしばし見かける。

かかる行為も、「こじき」に該当しないか、問題となるも、「こじき」に該当するには、不特定多数の人の同情心に訴える必要がある。そのため、単にプロフィールにほしい物リストを載せるだけであれば、軽犯罪法違反には該当しない。もっとも、FXや競馬でお金をスッたからといって、「同情」や「哀れみ」に訴えながら、ほしい物リストを使って物乞いする行為は、軽犯罪法の適用対象となり、①不特定多数の人の同情心に訴えて、②金品の無償交付を求める行為という2つの要件を満たし、「こじき」となる点は、PayPayのQRコードを貼る行為と同様である。

第3 詐欺罪の該当性

先のとおり、「こじき」は、①不特定多数の人の同情心に訴えて、②金品の無償交付を求める行為である。
本当はお金があるにもかからわず、無いふりをして、「不特定多数の人の同情心に訴え」て、PayPayのQRコードやAmaxonのほしい物リストを貼り付けて、金や物品を求める行為をした場合には、「こじき」に該当し、軽犯罪法に違反するのみならず、刑法上の詐欺罪にも該当する可能性があるように思われる。

第4 規約違反

PayPay公式サポートのツイートによれば、「個人送金受け取り用QRコードをSNS等に公開し、募金や投げ銭を収集する行為は、PayPayライト規約内「本来の目的とは異なる目的で利用する行為」に該当し、規約に違反する行為となります。該当行為については、慎重に事実確認を行い対処いたします。」とのこと。
そのため、TwitterにPayPayのQRコードを貼り付けて、金を求める行為をした場合には、PayPayから垢BANを食らってしまう可能性がある。

Twitterの垢BANを喰らってしまうかについて、私が知る限り、垢BANを喰らった実例を把握できていないが、Twitterルール上、「非合法な目的で、または違法な活動を促進させるためにTwitterのサービスを利用することを禁じます。」とされており、「こじき」が違法行為である以上、「違法な活動を促進」に該当し、垢BANとなる可能性はあるのではないだろうか。

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