(弁護士が検証)FX取引のコンサル/サロンって何?違法?適法?詐欺じゃないの?LINE/NOTEによる情報配信についても検討してみた。

第0 FXにおけるコンサル/サロンとは

FXについて、書きれているブログやホームページを見ると、「コンサル生募集」「サロン参加者募集」と書かれているものが結構ある。

最初、「コンサル生って何だ?」「サロンって何だ?」(浅はかながら「サロン」というと「ピンクサロン」が先に頭に浮かんでしまう・・・)と思ったものであるが、「コンサル生」「サロン」という用語はこの業界において一般的に使用されているようである。

要は、授業料をもらって、私の取引手法を教えてあげます、あるいは、取引に関してインストラクターしますというものだ。

第1 コンサル/サロンの違法性

上記の「教えてあげます」「インストラクター」が、チャートの読み方等の取引手法を教えているにとどまっている限りは法律上は問題ないものと思われる。

問題があるのは、①有料で取引手法を教えるとともに、実際の市場を見て、具体的な取引をする際に購入のタイミング等に関して助言する場合や、②取引手法は教えず、自分のエントリータイミングを有料で配信する行為だ。

金融商品取引法2条8項11号は

当事者の一方が相手方に対して有価証券の価値等・金融商品等の価値等の分析に基づく投資判断に関し、口頭、文書(新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なものを除く。)その他の方法により助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(以下「投資顧問契約」という。)を締結し、当該投資顧問契約に基づき、助言を行うこと。

を金融商品取引業(一般に上記行為を行う業種は投資助言業と言われる。)と定め、これを行うためには登録が必要であるとしている(同法29条)。

上記①・②の行為については、対価(報酬)を取得している時点で、金融商品等の価値等に関する投資顧問契約が成立し、この契約に基づいて助言を行っていると整理されることになるのではないだろうか。

現に「コンサル」「サロン」を提供している個人の中には投資助言業の登録を行っている方もいるようである。

有料で「コンサル」「サロン」を提供されている方には上記金融商品取引法上の規制があることに留意していただきたい。
(「報酬を支払うこと」が条件となっているので、無償である場合には、問題はないと考える。)

第2 LINE/NOTEによる有料配信・販売について(2019/3/6追記)

上記でも少し言及しているが、LINEによるエントリーポイントの有料配信や、NOTEによる相場観の説明や、エントリーポイントの有料販売については、投資助言業の登録が必要になるのだろうか。これらは流行っているようであり(特にNOTEは最近になって良く聞くので)、もう少し細かな説明・分析を記載しておきたい。

(思いの他、長くなってしまったので、この項の要約)
LINEによる有料配信→投資助言業の登録が必要
NOTEによる有料販売→
(原則)投資助言業の登録は不要
(例外)当該NOTEの購入できる者が限定されているような場合には投資助言業の登録が必要

金融商品取引法は、以下に関して、助言を行う行為を投資助言として規定している。
「金融商品の価値等(・・・省略・・・)の分析に基づく投資判断(・・・行うべきデリバティブ取引の内容及び時期についての判断をいう。・・・)」

FXなり、バイナリーオプションは「デリバティブ取引」に該当するわけであるが、行うべき取引の内容・時期についての判断に関して、有料で情報提供する行為は、金融商品取引業法上、登録を要する投資助言業に該当しそうである。

すなわち、ラインで、具体的にエントリーすべき通貨ペアやタイミングをライブ配信し、それに対して参加者に報酬(LINEグループに入る入会金など)の支払を課した場合などは、投資助言に当たるであろう。

NOTEについても、仮にNOTEの中で、具体的にエントリーすべき通貨ペアやタイミングが記載されていたのであれば、上記の「金融商品の価値等の分析に基づく投資判断」には該当しそうである。

ただ、NOTEに関してはライブ配信ではなく、買いたい人が買いたいときに買うというスタイルなので、悩ましい。
もう一度金融商品取引法の条文に戻ってみる。金融商品取引法では、

報酬を得て、「当事者の一方が相手方に対して次に掲げるもの(注:上記に記載した金融商品の価値等に分析に基づく投資判断等)に関し、口頭、文書(新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なものを除く。)その他の方法により助言を行うこと」

が投資助言に該当するとされている。ここで、NOTEよる配信が「新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なもの」に該当するのであれば、上記条文中の丸括弧書内の規定により除外されているので、金融商品取引法上の投資助言に該当しないことになる。
そのため、上記除外規定の意義を確認する必要があるが、金融商品取引法を作られた松尾直彦先生の著書には以下のとおり説明がなされている。

憲法の保障する言論・出版の自由に配慮されたものであり、店頭やインターネットなどで不特定多数の者がいつでも購入できる状態であれば足り、定期購入か単発購入かの形式は問わず、実際に購入したものが不特定多数である必要はないものと解されている。
一方、一般的に特定の会員にしか配布されない文書や不特定多数を集めて講演することは、不特定多数の者により随時利用可能とは言い難いと解される。

ということは、つまり、当該NOTEが誰にも買える状態であるならば、上記除外規定の適用を受け、NOTEによる配信は、金融商品取引法上の投資助言には該当しないと整理できそうである。他方で、購入資格を限定するような場合(なお、NOTEにおいてこのような設定ができるのか、私は知らない。)には、除外規定の適用を受けることができず、金融商品取引法上の投資助言に該当する可能性がある。

なお、LINEによる配信については、上記松尾先生の「一般的に特定の会員にしか配布されない文書」に該当するであろうから、やはり除外規定の適用は受けられず、投資助言業に該当するということになるだろう。

【参考条文(金融商品取引法2条8項11号ロ)抜粋】
十一 当事者の一方が相手方に対して次に掲げるものに関し、口頭、文書新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもので、不特定多数の者により随時に購入可能なものを除く。その他の方法により助言を行うことを約し、相手方がそれに対し報酬を支払うことを約する契約(以下「投資顧問契約」という。)を締結し、当該投資顧問契約に基づき、助言を行うこと。
ロ 金融商品の価値等(金融商品(第二十四項第三号の二に掲げるものにあつては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の価値、オプションの対価の額又は金融指標(同号に掲げる金融商品に係るものにあつては、金融商品取引所に上場されているものに限る。)の動向をいう。以下同じ。)の分析に基づく投資判断(投資の対象となる有価証券の種類、銘柄、数及び価格並びに売買の別、方法及び時期についての判断又は行うべきデリバティブ取引の内容及び時期についての判断をいう。以下同じ。)

第3 罰則について

投資助言業に関する登録が必要なのにもかかわらず、登録せず、投資助言業を行った場合、「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金」に課される可能性がある(金融商品取引法197条の2第10の4号)。要は犯罪ってことになる。
【参考条文】
第百九十七条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
十の四 第二十九条の規定に違反して内閣総理大臣の登録を受けないで金融商品取引業を行つた者

第4 詐欺の該当性・立証の困難性について

なお、「コンサル」「サロン」での受講料は通常、高額で、たまに詐欺じゃないか?って思われる事案もあるようである。
もっとも、難しいのは、当然相場に絶対がないことは周知の事実だろうし、どんな手法でも、何も考えずに使えば、勝率は50%に収斂される(究極的にはFX・バイオプは上がるか、下がるかの2択の予想ゲームなのだから)。そのため、詐欺であることの立証が困難であるように思われる。お金払って、何にも教えてもらなかったら別だけど、それっぽい適当な手法を教えてもらうような場合、詐欺の立証はできないのではないかと個人的には思う。

ヤフオクやココナラなどで、FX・バイオプの取引手法が販売されているけど、どんな手法も理論的には50%程度は勝てちゃうため、クレームを出しにくい・・・クレーム出したとしても、もう少し長期試してください、とか言われちゃうのだろうな・・・(実体験)

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9 件のコメント

    • アルパカさん

      コメントありがとうございます^_^

      取り急ぎ、思いついたことを書かせていただきます。

      まず一番最初に気になるのは、刑法で禁止されている賭博に当たらないかです。
      この点については、参加費をとり、それを勝者に分配する形ですと、賭博になると考えられます。
      他方で、参加費をとらずに、勝者に賞金を付与するのであればら賭博にはならないものと思われます。
      賞金の原資を確保するという意味では、IB(主催者のアフィリエイトURL)を用いて、取引させた方が良さそうですね。

      景品表示法との関係も気になるところです。この点、どこかのFX業者とタイアップし、そこのFX業者の利用登録することを参加の条件とした場合、賞金額に関して、上限額の規制がかかる可能性があるように思われます。具体的には取引額の20パーセントが上限になります。
      この規制がかかるのは、あくまでブローカーであり、単なるIBが賞金付きの大会することにかかるかという点については、議論の余地があるように思いますが、保守的に見れば、かかることを前提に対応された方が良いように思います。

      なお、FX取引の場合、何を持って「取引額」とするのか悩ましいところですが、、、ポジションをエントリーするのに用いた証拠金額あたりを用いて算出するしかないかなと考えております。

      取り急ぎの回答となりますが、明日以降考える時間がとれたら、追加で回答(場合によっては訂正)させていただきます。

      現時点の具体的な想定を教えていただけると、アドバイスしやすいです^_^
      (参加費、IBの利用、賞金額の想定など)

      どうぞよろしくお願い申し上げます。

  • 初めまして。非常に参考になる投稿ありがとうございます。質問させていただきたいのですが、fxや仮想通貨の「相場予測」について有料で定期的に配信しているのは違法にあたりますか?予測内容としてはチャートに根拠とともに未来予想図を矢印などで書いてあるものです。
    よろしくお願いいたします。

    • 寺田 様

      コメントありがとうございます。

      ご質問いただいた点について、結論的には本記事に書いた通りですが、大要、①エントリー通貨、時期を示すものか、②誰もが(お金さえ払えば)その配信を受けられるものか、の二点が重要な判断ポイントで、①がイエスで、かつ、②がノーならば、投資助言業の登録が必要になるように思われます。

      コメントされている内容からは①につき、仮に当該矢印がエントリーポイントを示唆するようなものならば、イエスになるように思われますが、誰もが購入できる状態にあるものならば、②がイエスとなり、助言業の登録が不要、仮に口コミで集めた特定の会員のみが買えるようなものならば、②がノーとなり、助言業の登録が必要となるように思われます。

      なお、上記はあくまで頂戴したコメントから推察して、当職の考えを記載したに過ぎないものであり、当職において責任を負えるものではございませんので、もし当該行為について法的な整理を万全なものにしておくことをご所望されているのであれば、実際に弁護士に相談されることをオススメいたします。

      どうぞよろしくお願い申し上げます。

  • 先生、ツイッターにて具体的な通貨とタイミングを発信する場合は、金商法の登録が必要ですか?
    自分が具体的なタイミングを発信することにより注目を集め、フォロワーが増えればと思うのですが。
    またその場合、公開垢、鍵垢で違いはありますか?

    • 神の子FX様

      コメントありがとうございます。
      そもそも無償の場合には、投資助言業には該当しないので登録は不要です。
      非公開アカウントで、そこに加わるためにお金を払う必要があるのであれば、それは投資助言業としての登録が必要になり得るように思います。

  • 先生こんにちは。
    海外FXにてIB報酬目的で口座開設させ、その特典としてライン等で無償でエントリーポイントを配信する方法ですと法律違反に当たるでしょうか?

    • まるお様

      コメントありがとうございます。

      https://fxatty.com/line-fx/

      をやろうとされているものと理解しました。

      IB報酬はブローカーから受領する広告に対する報酬であり、トレーダーからの助言に対する報酬ではないので、助言業の登録は不要と整理できるものと考えております。

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