(法律)クレジットカードのショッピング枠の現金化は違法?犯罪?

困ったときのクレジットカードのショッピング枠の現金化という話があり、これは禁止されているとよく聞くけど、何がいけなくて、禁止されているのか、よく分からなかったため、その違法性について検討したみた。

 第1 クレジットカードのショッピング枠の現金化とは

そもそもクレジットカードのショッピング枠の現金化とは何を指すのか、イマイチわかりにくい(いわゆる現金化業者を私が使用したことがないからであるが。)。

飲み会の幹事をやって、参加者から現金を回収して、自分がひっそりとカードで支払うこともある意味、古典的なクレジットカードのショッピング枠の現金化手法だ

社団法人日本クレジット協会 クレジット研究所が公表している平成22年12月付「クレジットカードのショッピング枠の現金化に係る刑法研究会 取りまとめメモ」によれば、クレジッカードのショッピング枠の現金化とは、現金を得ることを目的としたクレジットカードのショッピング枠の利用行為をいうとされている。

うん、これだけだと、定義語をそのまま敷衍しているだけでわかりにくい。

なので、その具体的な手口についても説明があり、 

手口としては、クレジットカードのショッピング枠を利用して一定額の商品の売買等があったように仮装し、クレジットカード会社に、商品代金相当額の加盟店に対する支払いを行わせ、当該加盟店が手数料を差し引いた残額を利用者に振り込むというような手口となっている。商品の送付が全く行われない事 例もある一方、石ころ等の無価値な商品の送付が行われる事例もある。

と説明がなされている。

要はクレジットカードの利用者と加盟店が売買を偽装し、加盟店がクレジット会社から代金を受け取り、一部をクレジットカードの利用者に引き渡すという仕組みだ。

このクレジッカードのショッピング枠の現金化の主な類型としては、①キャッシュバック型と、②買い戻し型があるとのこと。

①キャッシュバック型のスキームは以下のとおりとなっており、利用者(クレジットカード会員)は、クレジットカードのショッピング枠を利用して現金化業者からカードで商品(キャッシュバック権の付いた商品)を 購入し、現金化業者は、利用者に対し、キャッシュバック(振込等)を行う。

 

②買戻型のスキームは以下のとおりとなっており、利用者(クレジットカード会員)は、クレジットカードのショッピング枠を利用して現金化業者からカードで商品を購入(買戻又は返品特約付き)し、現金化業者は、当該特約に基づき、当該商品を買い戻す。

スキームの詳細を知りたい方は、上記「クレジットカードのショッピング枠の現金化に係る刑法研究会 取りまとめメモ」を参照して欲しい。

 

第2 現金化業者の違法性

現金化業者(クレジットカードの加盟店)の違法性については、あまり皆さん、興味がないだろうから、上記スキームを前提に、簡単に整理してしまうと

1.詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪

クレジットカード会社は、現金化取引を約款で禁止しており、上記スキームにおいて、真正に商品を売買する気がないのに、これを装い、クレジットカード会社に立替払いさせる行為は、まさにクレジットカード会社を騙し、財物(現金)を交付させる行為であり、詐欺罪(対人の場合)・電子計算機使用詐欺罪(対機会の場合。基本的には、カード決済は加盟店に置かれた機械で行われるはずなので、通常はこちらであろう。)に該当する。

2.貸金業法及び出資法違反

クレジットカードのショッピング枠をキャッシング目的のために利用させるという行為は、ショッピングを装ったお金の貸付に該当するものであり、これを業として行うためには、貸金業の登録が必要となる。が、通常は、登録をとっていないだろうから、貸金業法違反なる。

また、クレジットカード会社に立て替え払いされた売買代金を現金化業者が自己の取り分を控除して、利用者(クレジットカード会員)に引き渡す行為については、当該行為が上記のとおり、貸付と評価されることを前提に引き渡した金額が貸付元本、当該控除が利息として扱われ、金利が計算されることになる。これにより算出される金利が通常は、出資法上の上限金利の制約を大幅に超過しているため、出資法違反となる。

いわゆる貸付(融資)とはそのやり方が異なるため、本当に貸金業法及び出資法における「貸付」に該当するのか、疑問がなくはないが、実際に現金化業者が貸金業法違反(無登録営業)及び出資法違反(超高金利・脱法行為)逮捕されているので、この法的構成で今後も運用されていくのではないだろうかと。

詐欺罪で逮捕された実例があるのか、確認できていないが、詐欺罪で立証・検挙するよりも、貸金業法違反及び出資法違反で検挙することの方が楽だから、こちらで逮捕されているのではないだろうか。

 

第3 クレジットカードのショッピング枠を現金化を利用する側の違法性

現金化業者は、実際に逮捕された事例があるようであるが、利用する側が逮捕されたという話は聞かない。もののサイトには、現金化は違法ではないと説明するものがあるが、これはちょっと間違っていると思う(違法であることと、実際に逮捕されるか否かは別問題である。)。

1.詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪の共犯

上記のとおり、真正に商品を売買する気がないのに、これを装い、クレジットカード会社に立替払いさせる行為は、現金化業者が詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪に該当する可能性があるのであるから、現金化業者と結託して、利用者がこれを行う場合に、理論的には利用者に詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪の共犯が成立するであろう。

2.横領罪

また、クレジットカードで購入した商品は、代金が完済されるまでクレジット会社に所有権があり(各クレジットカード会社の約款を見てみて欲しい)、これを転売すること(現金化業者に買い戻させること)は、理論的には横領罪に該当する可能性があるだろう。もっとも、クレジットカードで購入した商品を代金完済前に、売却すること自体は日常生活でもまま見られる行為ではあり、横領罪で検挙される可能性は低いものと思われる。

3.とりあえずのまとめ

上記のとおりいわゆるクレジットカードのショッピング枠を現金化する行為は、逮捕されるかは別として、理論的には詐欺罪の共犯あるいは横領罪の成立する可能性があり、違法であるものと思われる。

なお、海外FX業者はこれまで別の記事で述べたように通常クレジットカードで入金することができる。

海外FX業者に入金して、数回取引して、出金する行為は、少なくとも、上記に述べてきたクレジットカードのショッピング枠の現金化には該当しないし、取引で大損を出さなければ(すぐに取引を畳んでしまえば)、実際、手数料無しでそのままの額を出金(現金化)できてしまう。

そのため、現金化のために海外FX業者を使用している人もいるのではなかろうか。

もっとも、この行為も、少なくともクレジットカード会社の利用規約違反に該当し、利用停止になる可能性があるので、留意されたい。

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