長くなったので、この記事のまとめ表を冒頭に載せておく。なお、海外FX業者に少しでも興味を持たれた方は、以下の各記事も参照。
各海外FX業者毎の特性とおすすめランキングをまとめた記事はこちら。
ノンリスクでトレードを試せる口座開設ボーナス(デモじゃないのであげた利益はそのまま出金できる!)その他ボーナスを提供している業者はこちらの記事を、各業者の目的別の使い方についてはこちらの記事を参照されたい。
第1.国内FX業者と海外FX業者では主に以下の11点で異なる。
【口座開設の際に大きな判断要素となるもの】 1.レバレッジ 2.税金 3.信用性・信頼性 4.入出金手続 5.ゼロカットシステム 6.入金ボーナス・取引ボーナスの充実度 【人によって重視する度合いが異なる要素】 7.通貨ペアの多さ 8.注文方式・取引方式 9.取引に使うソフト・アプリ(プラットフォーム) 10.口座開設の簡易 11.日本語の対応の可否 第2.結局どっちが良いの? 1.国内FX業者に向いている人 2.海外FX業者に向いている人 3.私の場合、税金は高くなるけれども、やっぱり海外FX |
FXを始めるためには、当然ながら、証券会社に口座を開設する必要がある。
私は、概ね、
外為オンライン(国内)
↓
フォーランドフォレックス(国内)
↓
M2J(国内)
↓
DMM FX(国内)
↓
セントラル短資(国内)
↓
インヴァスト証券(国内)
↓
LION FX(国内)
↓
みんなのFX(国内)
↓
XMTrading(海外)
↓
GemForex(海外)
↓
i Forex(海外)
↓
Land FX(海外)
↓
is6com(海外)
↓
FBS(海外)
↓
HOTFOREX(海外)
↓
BIG BOSS(海外)
を利用してきた。
あくまで、上記は試した順序であって、用途に応じて複数の業者を同時に利用していた時期もあるし、メインで使用したのは国内FX業者ならば、DMM FXであり、海外FX業者ならば、XMTradingとGemForexとなる。
なお、海外FX業者についてはこれまで利用した8社以外にも多数存在するため、ボーナスが入り次第、順次試した上、このブログで報告したいと思う。
(2019年1月27日追記)上記8社の概要と、マイランキングは以下の記事をご参照。
FXトレーダー兼弁護士による海外FX業者おすすめランキング(2019年5月22日時点)~13業者を使ってみて、勝手に検証してみた~【随時更新】
話は逸れたが、特に海外FX業者を利用したことがない人には、結局国内FX業者と海外FX業者の違いは何なの?と分からない人も多いと思うので、私が両方を利用して感じたところを比較し、以下に記載した。そもそもこれからFXを始める人の口座選びの一助になれば、幸いである。
第1.国内FX業者と海外FX業者の比較ポイント
国内FX業者と海外FX業者では主に以下の点が異なると考えている。
【特に口座開設の際に大きな判断要素となるもの(と私が考えているもの)】
1.レバレッジ
国内FX業者:最大25倍
海外FX業者:制限なし(通常500倍から1000倍に設定)
国内FX業者と海外FX業者で大きな違いとして最も良く挙げられるのが、レバレッジである。
国内FX業者は金融商品取引法上の規制により、個人だと最大25倍のレバレッジでしか取引ができない。
他方、海外FX業者はレバレッジの制限がなく(私が知る限り、無いが、日本と同じ規制を導入している国が世界にはあるかもしれない)、500倍から1000倍に設定されていることが多い。
レバレッジが高いと少ない資金で大きな取引ができるため、危険と言われることもあるが、海外FX業者は後述のとおり、ゼロカットシステムが採用されているため、むしろ少ない資金しか失わないで済むという意味では、安全なのではないだろうか。
2.税金
国内FX業者:
実現利益に対して、一律に20.315%(申告分離課税方式)
実現損失は3年間繰り越せ、翌年以降の実現利益とぶつけられる
海外FX業者:
実現利益に対して、15~55%(総合課税方式。雑取得扱い)
実現損失は繰り越せない
国内FX業者を用いて得た利益は全て申告分離課税となり、利益の金額に関わらず税率が一律20.315%となる。また、仮に年間として損失が発生した場合には、3年間は繰り越した上で、翌年以降の実現利益をぶつけることにより、税額の減免が受けられる。
一方、海外FX業者を用いて得た利益はすべて総合課税方式における雑取得扱い。すなわち、累進課税制度に基づく税率(以下の図参照。なお、他サイトでは、住民税10%への言及が漏れているものを多数みかけるので、注意が必要である)により、課税される。
また、実現損失は翌年以降に繰り越せない。
したがって、一般論としては、所得金額+FXによる収入(及びその他の雑取得)の合計額が330万円を超えてくる場合には、国内FX業者を用いた方がお得になる。
↓ちなみに、一応海外FXの税率を何とか対処する方法はなくはないので、知りたい方はこちらの記事もご参照。
3.信用性・信頼性
国内FX業者:
顧客からの預かり金に関して、金融商品取引法に基づき信託保全がなされている。
全ての業者が金融庁にライセンス登録されている。
海外FX業者:
信託保全がなされているか、ライセンス登録がなされているか、業者毎に異なる。
FXを行う場合、取引に必要な資金(証拠金やFXで儲けた利益)をFX業者に預けることになるが、かかる資金が確保されなければ、安心して取引はできない。
国内FX業者は、金融商品取引法に従い、預かり金の信託保全が義務化されているため、FX業者が倒産したとしても信託保全されている限度でお金が戻ってくることになる。
他方で、海外FX業者は、基本的にかかる義務が課されていないため、当該海外FX業者が、顧客確保のためにどこまで保全措置をとっているかによって、当該海外FX業者が倒産した場合にお金が戻ってくるか否か変わってくることになる(そもそも海外で倒産された場合に、保全がとられていたとしても、一般人がちゃんと海外の手続きに従ってお金を返してもらえるのかは疑問があるが。)。
また、国内FX業者の場合は、いずれの業者も金融庁に登録がなされ、金融庁により監視されているため、安心感がある。
海外FX業者の場合、どこの国の業者なのか、当該国でライセンス登録がなされているのかは業者による。
一見して、国内FX業者の方が安心感はあるが、国内FX業者で、信託されていた金額が不足し、取引が停止となったこともあるので、一概には言えない(まぁ。このケースでは投資家を守るために金融庁が取引停止にさせたと評価できなくないが)。
4.入出金手続
国内FX業者:銀行送金
海外FX業者:銀行送金、クレジットカード入金、ビットコイン入金等、多種多様
国内FX業者の場合、銀行送金しか入金方法がないことが多い(なお、クイック入金というシステムがとられていることが多く、基本的には即時反映される)。
一方、海外FX業者の場合、銀行送金(国際送金)に加えて、クレジットカード入金やビットコインを用いて入金することができる。
いずれも基本的には即時反映される。
出金に関しては、国内FX業者の場合、当日か翌営業日くらいには、指定した銀行口座に着金する業者が多い。
他方で、海外FX業者の場合、どんなに早くても1営業日かかり、業者によっては出金手数料がかかる。なお、私の経験では、出金までに3営業日以上かかったことはない。
↓海外FX業者の出金に関してまとめた記事はこちらをご参照。
5.ゼロカットシステム
国内FX業者:ゼロカットシステムを採用していない
海外FX業者:ほとんどの業者でゼロカットシステムを採用している
海外FX業者の場合、国内FX業者と異なり、ゼロカットシステムが通常採用されている。ゼロカットシステムとは何かというと、仮に証拠金が0円を下回ったとしても、追加証拠金が発生しないシステムのことだ。
すなわち、何らかの理由により、チャートが一気に突き抜けた場合でも、預け入れ済みの証拠金以上にお金を請求されるリスクがゼロなのだ。2015年に発生したあの有名なスイスフランショックの際にはスイスフランは約40円一気に円安になったが、国内FX業者を利用していた投資家は証拠金がゼロ円を大きくした回り、数千万円の負債を抱えた者も続出した。
他方で、海外FX業者を利用していた投資家は証拠金を失っただけで、負債を抱えた者は出なかった(そもそもFXをやるために負債を抱えていた者は別論であるが)。
スイスフランショックのような緊急事態を見据えると、圧倒的にゼロカットシステムを採用している海外FX業者の方が良い。
6.入金ボーナス・取引ボーナスの充実度
国内FX業者:取引の回数に応じて、キャッシュバック等のボーナスを付与している
海外FX業者:取引の回数に応じて、キャッシュバック等のボーナスを付与しているのに加えて、入金時に入金額に応じてボーナスを付与するというサービスを提供している業者が多い
国内・海外問わず、何らかの取引ボーナスを提供している業者が多い。
国内FX業者でも、私が愛用していたDMM FXでは、取引回数に応じてキャッシュバックボーナスがあった。また、取引回数に応じて、年末にカタログギフトがもらえるという裏サービスがある(私が確認した限り、DMMのオフィシャルサイトに載っていなかった)。
海外FX業者でも、XMTradingは独自にXMPというボーナスクレジットサービスを提供しているし、キャッシュバックサイト経由で口座を開設したら、取引毎にキャッシュバックがもらえる。
また、海外FX業者の場合、入金ボーナスというものがあり、入金額に応じて、クレジットというものが付与される。このクレジットはお金と同様、取引できる。クレジット自体は出金できないが、当該クレジットを用いて、取引で利益を上げたら、利益分出金できる。
例えば、1万円入金したら、1万円のクレジットが付与され、2万円分の取引ができる。この2万円を使って、1万円の利益を上げたら、最初に入れた1万円と取引であげた1万円の合計2万円の出金ができることになる。上記1万円のクレジットは、取引において損切りを受けないためのバッファとして基本的に用いることになるが、XMTradingでは、XMPというボーナスクレジットサービスがあり、入金をしなくても、ボーナスクレジットだけで取引ができるため、入金額0円、ボーナスクレジット1万円という状態で(ボーナスだから、なくなっても良いよね的な感覚で)ギャンブル取引ができる。
上記から、海外FX業者の方が国内FX業者の方が入金ボーナス・取引ボーナスが充実している。
↓海外FX業者が提供しているボーナスについてはこちらの記事をご参照(随時更新)。
【以下、人によって重視する度合いが異なる要素】
7.通貨ペアの多さ
国内FX業者:通貨ペア20種類前後の取扱いなことが多い
海外FX業者:通貨ペア60種類前後の取扱いなことが多く、かつ、株価指数や原油、金などに連動したCFDも扱っているところが多い
国内FX業者の場合、通貨ペア20種類前後の取扱いがなされていることが多い。
一方、海外FX業者の場合、通貨ペア60種類前後取り扱っているところが多く、加えて、株価指数や原油、金などに連動したCFDも扱っているところが多い。
そのため、FXに加えて、CFD取引もしてみたいという人は、海外FX業者を利用してみるといいだろう。
なお、CFD取引の場合もキャッシュバックやボーナスサービスがある。
8.注文方式・取引方式
国内FX業者:FX業者が投資家とインターバンクの取引を仲介する(いわゆるDD方式)
海外FX業者:投資家が直接インターバンクで取引する(いわゆるNDD方式)
FXの注文方式・取引方式は、FX業者を介して取引するDD(ディーリングディスク)方式と、FX業者を介さないNDD(ノーディーリングディスク)方式の2つがある(FX業者は全自動で注文をさばくという作業を行う。)。
国内の業者は、DD方式を採用しているといわれる。
具体的には、顧客同士の注文を相殺(対当となる範囲で買い注文と売り注文をぶつけ、ネット)して、相殺できなかった注文差を自分のところで受けている(その上でインターバンクへ注文している)。
もっとも、実際にこのように処理しているかは分からず、FX業者自らのリスクの下、全ての注文についていわゆる呑み行為を行っている可能性があると言われているが・・・
この方式だと、業者と顧客の利益が相反するという欠点がある。すなわち、注文差でドル円のロングが上回った場合、FX業者としてはそれ(ドル円)をショートする事になるところ、当然FX業者としてはドル円は下がった方が利益になるのである(なので、瞬間的なレート操作で顧客のポジションを狩ったりすることが有り得る)。
これに対して、海外FX業者が多く採用していると言われるNDD方式は、文字どおりディーリングディスクを介さない取引形態なので、顧客がインターバンクで直接取引を行うため、FX業者としては顧客が勝とうが負けようが関係ない(FX業者は、各取引毎のスプレッドで利益を挙げる。)。
上記のとおりであるから、一般論としては、NDD方式を採用する海外FX業者の方が良いように思われる。なお、NDD方式を採用した場合、スプレッド(各取引毎の手数料)がDD方式に比べて、広いと言われるが、その点は各業者の独自のボーナス制度や、キャッシュバックサイトを利用することにより、事実上、差がなくなっている。
(イメージ図)
9.取引に使うソフト・アプリ(プラットフォーム)
国内FX業者:当該業者独自のソフトやアプリを使用して取引を行うことが多い
海外FX業者:ほとんどの業者がMT4を用いて取引を行う(但し、iForexみたいに独自のソフト・アプリを利用する業者もいる)
国内FX業者と海外FX業者とで取引に使うソフト・アプリ(いわゆるプラットフォーム)が異なる。
ほとんどの海外FX業者はMT4(メタトレーダー4)というプラットフォームに対応しているため、どの業者を使っても同じ使用感で取引することになる(そのため、多くの海外FX業者を使用していると、どの業者で取引しているのか、忘れることもしばしば・・・)。
一方、国内FX業者は独自のソフト・アプリを提供し、当該ソフト・アプリでのみ取引ができる場合が多い。
慣れの問題もあるので、いずれが良いかは一概には言えないように思う。
(個人的には国内FX業者のDMMFXのアプリが一番使い易かった。)
10.口座開設の簡易
国内FX業者:インターネットで申し込み後、郵送にて取引パスワードが送られてくる。その後、取引開始
海外FX業者:インターネットで申込が完結。最短、10分程度で取引を開始できる
いずれもインターネットでの申し込みが可能である。
国内FX業者の場合、犯罪収益移転防止法の規制との関係で、取引パスワードを郵送しなければならないため、申し込みから、取引開始まで、何営業日か待たなければならない。
一方で、海外FX業者の場合、インターネットでの申し込みで手続が完結するため、取引開始まで、10分程度しかかからないことも多い。
11.日本語の対応の可否
国内FX業者:当然可
海外FX業者:最近はだいたいの業者で可
海外FX業者の場合、英語が使えないと不安・・・と思っている人も多いのではないだろうか。この点、安心していただきたい。
最近の海外FX業者は日本市場をマーケティングの対象としているので、日本語サポートがなされているところが多い。
普通にホームページも日本語で書かれており、日本語で申し込みや質問ができる。
ちなみにiForexに口座開設を申し込んだら、御礼の電話がギリシャから日本語でかかってきた。
中にはたどたどしい日本語のホームページしかない海外FX業者もいるので、不安ならば、そういう業者の利用を避ければ良い。
第2.結局どっちが良いの?
1.国内FX業者に向いている人
FXをやるからには、利益(お金)重視の人が多いであろう。
そう考えると、やはり税金の問題が大きく、そもそもの収入が多く、かつ、レバレッジを低くても満足した取引ができる人は、国内FX業者を用いた方が良いだろう。
(仮に本業の年収が0円と仮定した場合において、1000万円儲かったときに、800万円残るか、620万円残るかは大きい差である。)
また、やっぱり日本のブランドを信用したい人は国内FX業者を用いることで良いと思う。
2.海外FX業者に向いている人
①税金の問題と、②FX業者に対する信頼という面以外に、日本FX業者を推す積極的な理由が見当たらないため、上記1に該当しない人は海外FX業者を用いることで良いと思う。
蛇足となるが、海外FX業者の場合、儲かったとしても、国税庁に把握されず、脱税できるのではないかという発想を持つ人もいるかもしれない。
この発想は危険である。100万円を超える国際送金(入金)が行われた場合、着金した銀行から税務署に対して、国外送金等調書という報告書の提出が義務付けられているため、少なくとも税務署に海外FX業者等から100万円を受領したという事実を覚知されてしまうのである。これをとっかかりに脱税を指摘される可能性はかなり高い。
なお、100万円未満の金額を小分けにした場合には、上記報告書の提出はなされないが、何らかの理由で税務署がかかる事実を覚知した場合に、刑罰を受ける可能性がある(しかも意図的になされたとみなされ、重罰になる可能性も)。
海外FX業者に資金を置いたまま、出金しなければ、日本の税務署に覚知されることは基本的にはないと思うが、いずれにしても出金のタイミングでバレてしまい、期ズレが生じる(利益を挙げた年と出金し、納税する年が異なる)と、理論的には脱税に当たるので、注意されたい。例えば、2018年に利益をあげたら、(この利益を2019年に出金したとしても、)2018年度の税金として納税する必要があるのである。
3.私の場合
私の場合は、税金は高くなるけれども、やっぱり海外FXを利用している。
少ない資金で、多額の取引ができるので、ゲーム感覚で取引ができるのが一番の理由である。
海外FX業者で1万円使って1000万円稼ぐのと、日本FX業者で100万円使って1000万円稼ぐのでは、アフタータックスだと、300万円程度、手元に残る資金が異なるが、資金効率だと前者の方が良いというのもある(そもそも、過去の痛い目にあった経験から大きな元手を投入するのが怖い、というのが大きいが・・・)。
参考までに、私のオススメする海外FX業者はこちら↓
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